2015年3月31日火曜日

宝石のビッカース硬度

 ビッカース硬度(ビッカース硬さとも)とは、主に工業材料の硬さを表す尺度の一つです。モース硬度が引っかき傷に対する固さを示すのに対し、ビッカース硬度は押込み圧力に対する堅牢さを示します。

 ビッカース硬度の試験法は1925年に開発されたもので、まず正四角錐のピラミッド型をしたダイヤモンド製の圧子を、測定対象の表面に押し込みます。次に、荷重を除いたあとに残ったへこみの対角線の長さd(mm)から表面積S(mm2)を算出します。算出した表面積S(mm2)で試験荷重F(N)を割った値が「ビッカース硬度」と呼ばれるもので、単位はHVと表記されます。大きな力で押し付けたのに小さな傷しか付かない、つまり、試験荷重が大きいのに傷の表面積が小さいという場合、ビッカース硬度の値(試験荷重÷傷の表面積)は大きくなります。すなわち、「硬い物質ほどビッカース硬度(HV)が大きくなる」ということです。